「プロジェクトアップデート(進捗報告)への反応って薄いし、やる意味ない」なんて思っていませんか?
Kickstarter プロジェクトを成功に導くためには、際立つプロジェクトページの作成から、的確なプロモーション戦略、そして熱意あるバッカーコミュニティづくりが欠かせませんが、同じく重要な要素が、クリエイターがバッカーに向けて発信するプロジェクトアップデートです。
クリエイターが投稿するアップデートは、プロジェクトページに表示されるだけではなく、バッカーにも直接内容がメールされます。有意義なアップデートを定期的に行えば「このクリエイターは意欲的だな」「ちゃんとバッカーのことを考えてくれてるな」と目に見えて伝わるのです。
効果的なアップデートは、バッカーをワクワクさせて、応援したいという気持ちを高め、周りにもプロジェクトの支援を呼びかけるモチベーションにつながります。
これまでの進捗、制作秘話、舞台裏のこぼれ話などを、画像や動画を交えて伝えましょう。バッカーに、クリエイティブなプロセスに自分も参加しているという実感を与えるのが理想です。(※ヒント: スタッフによる注目プロジェクト Projects We Love を選考する際、魅力的なアップデートも基準のひとつになります。)
アップデートの数や頻度に正解はないものの、なるべく定期的に投稿することをおすすめします。ローンチ前からアップデートをいくつか書きだめておくと、後々楽かもしれません。
Kickstarter に投稿されるアップデートの数は、一週間あたり約6,000にも及びます。その中から、効果的かつ面白いアップデートを50種類、以下ご紹介します!
プロジェクト進行中のアップデート
1. ゴールの50%を達成したタイミングや折り返し地点など、キャンペーンの節目をアピール。
2. バッカー数が50、100、500、その他キリの良い数を突破したことを報告。
3. 新しいリワードの追加やストレッチゴールの発表などといったプロジェクトの更新情報。
4. Projects We Love に選ばれたり、ニュースレターで紹介されたことを報告。
mui がアップした Projects We Love バッジのスクリーンショット
5. バッカーからの励ましのコメントや、応援動画、イラストなどを紹介。
6. 制作チームメンバーを紹介。
7. プロジェクトのコラボレーターの自己紹介やどのようにプロジェクトに関わっているかという説明。
8. フード系のプロジェクトなら、お気に入りのレシピを公開。
9. パブリッシングやジャーナリズム系のプロジェクトなら、自分がその道を目指すきっかけとなった本や人物などを紹介。
10. アートやコミック系プロジェクトなら、ラフスケッチや過去の作品を公開。
11. ファッション系のプロジェクトなら、自分のコレクションの写真を毎日アップ。
12. これまでの表彰・受賞歴をアピール。
13. ラストスパートになったら、プロジェクト締め切りまでのカウントダウンを毎日投稿。
14. これまでのアップデート内容を家族・友人などにシェアするようバッカーに呼びかける(バッカーがすぐにコピペしてソーシャルメディア等で使える短い説明とURLを提供すれば、より効果的)。
15. プロジェクトの改善すべき点を募集したり、新しいデザインのアンケートを実施。
16. プロジェクトを途中でキャンセルするに至った場合、その告知と理由を説明。
プロジェクト進行中、あるいは終了後のアップデート
17. メディアやブログ等でプロジェクトが取り上げられたら、記事や動画のリンクを張る。
18. ライブストリーミングやAMA(オンライン質疑応答)等、面白い催しの案内。
19. クリエイターとして受けたインタビュー記事を共有。
20. 「コミュニティ」タブから確認できる、特筆すべきバッカーの所在地を発表。
21. バッカー限定の特別イベントの招待。
22. プロジェクト関連のハウツー動画や説明書をアップ。
23. コメント欄やDMに寄せられた、よくある質問への回答。
24. 個人的に気に入った他のプロジェクトを紹介。
25. 試作品やサンプル品の写真をアップ。
26. 制作過程の舞台裏を画像や動画を交えて共有。
27. バッカーその他によるデモ体験の募集や感想をアップ。
28. 季節の挨拶や、祝祭日のお祝い(Happy Holidays!)など。
29. 子供が生まれた、猫を引き取った等、個人的なニュースを共有。
30. 興味のある、あるいは関わりのある国際ニュースやムーブメントについて触れる。
31. 自分のインスピレーションについて語る(人物、名言、作品でもなんでも)。
32. キャンペーン中あった嬉しいことを共有(高額なプレッジ、素晴らしい業者との出会い、他)。
33. 想定外の困難や進捗の妨げは包み隠さず報告(致命的なバグ、原料コストの高騰、他)。
34. イベントやコンベンションに参加するなら、ブースの位置を告知。
Gen Con にて CRISIS のブース画像
プロジェクト終了後のアップデート
35. キャンペーンの結果を発表する(達成率、総プレッジ額、バッカー数等)。
36. 祝・プロジェクト成功(あるいは再ローンチ)の報告と、祝・リワード発送完了の告知。
37. キャンペーン一周年の節目にプロジェクトを振り返ったり、近況報告を行う(※ Kickstarter がプロジェクト一周年のリマインダーメールを事前に送信します)。
38. 作業中だったり(ミュージシャンなら)ツアー中の「ライブ」アップデートを投稿。
39. 郵便局などから、発送作業中の報告。
40. 製造現場の見学写真をアップ。
工場見学する Pebble チーム
41. 発送する前に、完成品のお披露目写真をアップ。
42. ベータ版のテスターやネイティブチェッカー等を募集。
43. バッカーにサーベイの回答期限をリマインドする。
44. 一時休業する際の報告(業務再開時の報告も忘れずに!)。
45. 不成功だったプロジェクトの再ローンチや、新しいプロジェクト始動の報告とリンク共有。
46. スポットライト機能で新しく追加した点などを解説。
47. 実地テスト(あるいは、このプロジェクトの場合味見テスト)の結果を報告。
48. リワードの発送状況を逐一報告。
49. 品質上の問題や発送の遅れが発生したら、オープンに報告。
50. そして、プロジェクトを支援してくれたバッカーへの感謝の言葉を決して忘れずに!
最後に
「便りがないのはよい便り (No news is good news)」なんてことわざもありますが、この言葉は Kickstarter には当てはまりません。よいニュースも悪いニュースも、包み隠さず常にバッカーと共有するように心がけましょう。
よいニュースについて: 上の例にもあるように、ごく個人的なニュースでもなんでも(共有したい範囲で)アップすると、多くのバッカーが喜んでくれて、より一層パーソナルな関係を築けるようになります。Kickstarter のプロジェクトを支援するということは、通常のお店で商品を購入するのとは異なり、プロジェクト作成者であるクリエイターに好感を持ち、その実現したいアイディアに共感してプロジェクトにバッカーとして参加しているからです。
悪いニュースについて: クリエイターからの報告が途絶えると、バッカーは最悪の事態を想定してしまいます。たとえ致命的な問題が見つかり、リワードの発送が遅れてしまう事態が発生しても、実直に状況説明を行い、問題解決のために取り組んでいることを伝えれば、バッカーも安心して引き続き応援しようという気持ちになれます。
関連リンク