ローンチ予定のプロジェクトの目標は、シンプルなものですか?それとも、壮大なものですか?
シンプルな目標とは
本の出版、映画やアルバムの制作等が該当します。シンプルなプロジェクトをローンチする場合、最終的に必要になるコストのすべてが賄えるようにファンディングゴールを設定します。
壮大な目標とは
企業団体の発足や、長期的な企画などといった、大規模なものです。壮大なプロジェクトに Kickstarter を利用する場合は、必要になる予算すべてを目標とせず、製品の初回生産コスト、映画の編集や字幕翻訳費用など、大規模な企画のあくまで一部の予算が賄えるようにファンディングゴールを設定することをおすすめします。
目標を定めて、予算を組む
プロジェクトの目標は、明確になりましたか?次は、そのプロジェクトの実現において想定される支出を漏らさず書き出してリストにしてみましょう。一切遠慮せず、全て書いてみてください。おそらく、相当な額になるかと思います。
それでも大丈夫です。 プロジェクトの規模をもっと小さくできますか?例えば、上で述べた製品の初回生産や映画の編集など、プロジェクトをフェーズごとに分けて、その一部の予算のみファンディングゴールとして設定することは可能ですか?
Kickstarter をプロジェクトの一部、または最終フェーズだけに絞って利用するのは、よく見られるケースです。たとえ Kickstarter 外での資金源が別にあったとしても、その旨をプロジェクトページに明記さえしておけば、問題ありません。もっとも重要なのは、プロジェクトを実現するために必要な予算の合計と、バッカー(支援者)から集まった資金の用途を事前にしっかりと決めておくことです。
(※ Kickstarter では、同じ内容のプロジェクトを第一弾、第二弾とフェーズごとに分けて順番にローンチすることができます。ただし、複数プロジェクトの同時進行は許可できません。)
ポテンシャルを把握する
自分のプロジェクトを応援してくれるコミュニティはすでに存在しますか?まだプロジェクトを知らない人たちを対象にメールやSNS、 ブログなどを使って、コミュニティに巻き込む方法はありますか? プロジェクトを立ち上げる前から、応援してくれるコミュニティを持つことは、非常に大事です。
Kickstarter での成功例のほとんどが、以前からそのクリエイターを応援し、プロジェクトのローンチ(公開)を心待ちにしていたコミュニティの力により、数日以内にファンディングゴールの大部分を達成しています。
ゴール達成の目安として、簡単な計算をしてみましょう:
プロジェクトを応援してくれるコミュニティは、平均いくらプレッジ(支援を約束)してくれそうですか?一人あたりのプレッジ額をざっくりとでいいので、予想してみてください。参考までに Kickstarter 全体での平均プレッジ額は $25 (約¥2,500) 前後です。
次に、想定しているファンディングゴールを、この平均プレッジ額で割ってみましょう。この答えが、プロジェクトを成立させるために必要なバッカー数です。現実的なバッカー数になりましたか?無理だと思ったら、プロジェクトの規模を調整しましょう。
リワード製作費と配送費
プロジェクトのリワード製作費と配送費は、もっとも見落としが発生しやすく、緻密な計算が必要となる項目です。予算を組む際には、プロジェクトを実現するために必要なコストだけでなく、リワードの制作、梱包、配送費を考慮するのも不可欠です。
そのためには、まずリワードの試作品と、それに適した梱包材を用意しましょう。梱包済みの試作品を宅急便事業者や郵便局に持ち込み、国内配送と海外発送の見積もりをそれぞれ出してもらうのがもっとも確実です。
海外発送は非常に複雑ですので、注意しましょう。各リワードごとに、適切な配送設定がなされているかをよく確認してください。いっそ国内分の配送料は、リワード金額の中に含んでしまってもよいかもしれません。
Kickstarter の仕組み上、バッカーから寄せられたプレッジ(支援金)は、プロジェクト期間中ではなくプロジェクトがファンディングゴールを達成して終了した後に回収されます。
この際、バッカー側のカードの決済問題などによって一部のバッカーからのプレッジが回収できず、実際に集まった資金がプレッジ総額よりも少なくなる場合があります(平均:全体の1-5%前後)。
また、実際に集まった資金には、Kickstarter 手数料および決済手数料が課せられます。
例えば、プロジェクトを立ち上げる際に、ファンディングゴールを100,000円に設定したケースで考えてみましょう。そしてバッカーの支援により120,000円のプレッジを得てプロジェクトが終了したと仮定します。その後、一部のバッカーのクレジットカードの決済問題等による支払い失敗により 5% のプレッジが回収できず、実際に集まった金額は114,000円だったとします。そこから Kickstarter 手数料 5% および日本の決済手数料 4.5% が差し引かれ、合計103,170円の資金がクリエイターの口座に振り込まれることになります。
- プロジェクトのファンディングゴール:100,000 円
- プロジェクト期間中に集まったプレッジ総額:120,000 円
- 一部バッカーの支払い失敗により実際に集まった金額:114,000 円
- Kickstarter 手数料(5%): 5,700 円
- 決済手数料(日本: 4.5%):5,130 円
- クリエイターの口座に振り込まれる資金総額:103,170 円
ファンディングゴールを考慮する際は、こういった手数料や支払い失敗を想定しながら、余裕をもった金額を設定するとよいでしょう。